智弁和歌山の主砲、徳丸天晴外野手(3年)は「覚醒の夏」を目指す。今年は8本塁打を重ね、高校通算42本塁打。「長打力が最大の武器。チームの勝ちにつながる1本を打ちたい」とスラッガーの自覚十分だ。

非凡さを示す一打があった。5月9日、春季和歌山大会決勝の市和歌山戦は2点リードの8回に先頭で打席を迎えた。今秋ドラフト上位候補のエース小園健太投手(3年)との対戦だ。151キロの速球をとらえるとライナーで左越え二塁打をマーク。敵に引導を渡す4点奪取の口火を切った。

「1、2、3打席目に、チームにプラスになる打撃をできなかった。いい当たりを打って勢いづかせようと思った」。4番の本領発揮だった。チームは今春のセンバツ出場を逃した。最後の夏は、そのセンバツに出た市和歌山がライバルになる。徳丸が、超高校級の小園の前に立ちはだかる。