札幌地区で、恵庭北が札幌平岸を2-1で破り、4年ぶりの南大会出場を決めた。

6回に4番平沢周太左翼手(3年)が決勝犠飛を放ち、春の全道出場校に競り勝った。今大会は札幌麻生の当番校業務を受け持ち、全体練習が限られた中、3試合を勝ち抜いた。南北北海道大会の代表32校が出そろい、組み合わせ抽選は8日に行われる。

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勝利の瞬間、マウンドの佐々木悠(3年)が、右手でポンポンポンとグラブをたたいた。恵庭北が、しのいで1点差勝利。4年ぶりの南大会進出だ。畑康司監督(52)は「みんなで全員野球をしようと言っていて今日はそういう試合ができた。ある程度こういう接戦になると思っていたが、みんなで守ってしのいで、戦うことができた」と選手たちをたたえた。

試合は中盤5回を終えて1-1の同点。勝ち越し機は6回にやってきた。先頭の2番河田愛翔三塁手(3年)の二塁打と、3番井上星也主将(3年)の連打で一、三塁。4番平沢は「いいところでまわしてくれた。期待に応えられてよかった」。高めのカーブを逆らわずに振り抜き、勝ち越しとなる右犠飛。主砲がきっちりと「仕事」を果たした。

大会期間中「仕事」はほかにもあった。同校は札幌麻生球場の大会運営を担当する当番校で、各種業務に携わりながら戦っていた。1日3試合の日はベンチ内外の選手問わず、部員全43人が早朝6時にバスで学校を出発。球場で受付、グラウンド整備など役割をこなした。平沢はエースの佐々木悠投手(3年)らとともに本部席に座り電話係を務めた。平沢は「野球と両方あって大変でしたが、チームに迷惑はかけられない」とみんなでカバーしあった。

ハードなスケジュールだったが、練習時間が少ない分、平沢は家族の協力も得ながら実戦感覚を磨いた。大会期間中に2度、北広島市内のバッティングセンターで1セット20球を計5回100球ほど打ち込んだ。自宅でも約1時間ほどスイング。練習後にはバットを磨いて機運を高め、その成果がこの日発揮された。「全力プレーでみんなで楽しんでいきたい」。チーム一丸で南大会初勝利を目指す。【山崎純一】

◆恵庭北の道大会 過去は春0、夏3、秋1度の出場。夏の南北海道大会は07年の初出場から11、17年と1回戦敗退が続く。秋は唯一出場した06年に初戦の2回戦で北見北斗に9-3で勝利。準々決勝で駒大岩見沢に0-7で敗れた。

▽南大会出場に届かなかった札幌平岸・佐藤大和主将(3年) 最後まで平岸らしい元気のある野球はできたのでよかった。