グラウンドに立てなかった先輩たちの思いを、つないだ。2年ぶりの埼玉大会の開始式が大宮公園野球場で行われた。雨の中、補助員の女子マネジャーたちはあいにくのカッパ姿。それでも校名プラカードを担当した市浦和の岡平晃和さん(3年)は「雨に負けないで仕事を全うすることができました」と笑顔だった。

今回の補助員は、県南部地区のマネジャーが担当した。1年ごとに東西南北の4地区で回しており、4年に1回しか順番のこない大役。本来、南部地区の担当は昨年だったが、独自大会となったため今年にスライドとなった。

コロナ禍の影響で開始式の内容は大幅に簡略化され、入場行進はなし。開幕カードの東農大三と川越南の選手のみが参加した。補助員も大幅に減ったが、それでも、昨年できなかった先輩からは「いいな」とうらやましがられたという。前日に、家で練習を繰り返して臨んだ総合司会の浦和北・及川詩保さん(3年)は「本番では落ち着いて、自分の中で一番のアナウンスができました」。一生に一度の経験を、今度は後輩たちへ伝える。【保坂恭子】