今夏ノーシードの東北が第2シード仙台一を7-0の7回コールドで下し、4大会ぶりの甲子園出場に向け好スタートを切った。

公式戦初の4番を任された竹中哲斗内野手(3年)が高校初本塁打を含む2安打3打点の大活躍。エース右腕・岩佐哲郎(3年)も散発2安打完封で強豪復活をアピールした。

昨秋県準Vの東北が今春準Vの仙台一を撃破した。春3回戦は0-8のコールドで敗れ、15年以来6大会ぶり(昨年の県独自大会含む)に夏のシード権を失った。選手たちは悔しさを胸に夏に照準を合わせてきた。3回2死一、三塁、3番金井翔陽(3年)の左前のテキサス安打で先制。続く一、二塁で竹中が左越え3ランを放ち完全に流れをつかんだ。春まで2番や6番打者を任されていた竹中は「4番といわれてびっくりした。でも気負わずに次につなぐ気持ちで、しっかり強く振り抜くことができました」と「新4番」の務めを果たした。

オーダー変更が的中した富沢清徳監督(50)は「組み合わせが決まった時点で初戦に照準を合わせて準備してきた。春に負けて基本から見つめ直すことができた。取り組む姿勢も意識も変わった」と選手たちの成長に手ごたえを感じている。東北中時代を含め、春夏通算25度(夏15度)の甲子園出場の実績を誇る名門。だが仙台育英と並ぶ私学2強と呼ばれた時期に比べ、ここ数年は不本意な成績が続いている。随所でガッツポーズを見せるなどチームの雰囲気も一新。明るさが増した。竹中は「1球1打を大切にして今までやってきたことを全部出したい」と県王座奪還を狙う。【佐々木雄高】