赤の「R」マークのヘルメットがダイヤモンドを駆け巡った。立命館慶祥が8回までに11得点。全国制覇2度の難敵駒大苫小牧をコールドで打ち破った。滝本圭史監督(40)が「全く想定していない展開になった」と驚くほどの快勝。11年ぶりの出場を開幕戦勝利で飾った。

切り込み隊長の1番坂下がチームを勢いづけた。1点リードの5回2死から右中間に公式戦初アーチを放り込んだ。「前の打席の内容が悪かったので、思いっきり振ろうと思った。外野フライかと思って走っていたけど、球場の歓声で入ったと気がついた」と振り返った。

ここから打線が活性化。7回、坂下の三塁打を足がかりに2番斎藤の適時打などで相手エース石橋をノックアウトした。3安打の坂下は「組み合わせが決まったときから素晴らしいサウスポーだというのは分かっていたので、左投手対策として、30分打ちっぱなしなどをやってきた成果が出た」。ベンチ入りメンバー唯一の立命館慶祥中出身で、「生え抜き選手でチームの象徴的存在」(滝本監督)が打線をけん引した。

南北海道大会5度目の出場で初戦不敗を継続。次戦は4強入りをかけ、春の全道王者、札幌日大と激突する。坂下は「相手がどこでも一戦必勝と思って戦っているので、目指すは優勝」と意気込んだ。過去4度の南大会は初戦不敗だが、いずれも準々決勝で敗退してきた。今度こそ、壁を突破してみせる。