最強のリードオフマンだ! 木更津総合(千葉)の秋元俊太外野手(3年)が今大会2本目の先頭打者本塁打で打線に火を付けた。

自身の今大会3号が強烈な先制パンチとなり、3本塁打を含む9安打12得点で7回コールドの快勝。18年以来、昨夏の県独自大会から2年連続の決勝進出に導いた。21日決勝は専大松戸との昨夏決勝カードの再戦となり、関東地区一番乗りとなる代表切符を争う。

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地元千葉のアスリート一家で育った。父慎吾さん(38)は東京学館の野球部出身。甲子園出場はかなわず、その夢を息子に託し、幼少期から一緒に打撃フォーム養成に取り組み、ミート力をつけた。

母和美さん(38)は駅伝の名門・市船橋陸上部の長距離選手。秋元は走り方を教わり、中学時代は陸上部の短距離で下半身を鍛えた。「足の回転、腕の振りを意識して走ると教わりました」。50メートル走のタイムは5秒8とチーム一の俊足を誇り、「僕は1番が合っている。失策でもいいから、全力疾走でセーフにする。強気にいけるから」。3打席目は一ゴロで一塁へヘッドスライディング。アウトにはなったが、ベンチを盛り上げた。

コツコツ積み重ねた努力も夏本番で発揮した。2年冬、コロナ禍で練習が制限されても「こんな中でも、何かできることがあるはず」と、毎日必ずバットを振ると決めた。練習が再開されても「毎日継続したら結果になる」と欠かさなかった。「昨秋までは調子に波があったけど、今はそれがなくなった」と、今大会3発の成果を実感する。

最後に雌雄を決するのは、今春センバツ出場のAシード校。秋元は「絶対に勝てない相手ではない。ビビらずに自分たちの野球をしたい」。2大会ぶりの甲子園出場を懸け、泥くさくても積極的に、1番で暴れるつもりだ。【保坂淑子】

◆秋元俊太(あきもと・しゅんた)2004年(平16)3月2日、千葉市出身。小1から野球を始め、加曽利中では千葉西シニアに所属。木更津総合では1年春からベンチ入り。172センチ、69キロ。右投げ左打ち。50メートル5秒8。