都立の好左腕、城東・林平太郎投手(3年)の夏が終わった。チーム3戦目で初登板初先発。シード校に照準を合わせてきたが、5回11安打と打ち込まれ、6失点でKOされた。「ブルペンでは、直球も、変化球も良かったんですが。試合でも良かったと思います。ただ、甘く入ったのを逃してくれませんでした」と結果を受け止めた。

極端なインステップから投げる。1年秋の都大会で4強まで進み「城東に林あり」を印象づけた。実は、城東野球部のことをよく知らないまま入学した。「学力と野球と、あとは家からの近さで選びました」と笑って明かしたことがある。「都立で、甲子園に行ったことがあるのは知ってましたけど、入ったら、びっくりするほど人が多くて。調べておくべきだったなあ」。そんなマイペースな面もあるが、野球には真摯(しんし)に取り組んだ。

練習メニューは自分で考えて決めるのが、城東の伝統。「最初は先輩のマネをしたりして。周りに流されない力はついたと思います。自分の考えを持てました」。1年秋に注目された、右足を高く上げるフォームをやめたのも「長いイニングを投げるときは、力を抜いていたい」と自分で考えたからだ。

大学でも野球を続けるつもりだ。高校野球を振り返り「どういう結果になっても楽しむことを意識しました。投げるのは1人でも、やっているのは1人じゃない。みんなの支えがありました」と穏やかな笑みを交え、言った。