鹿島学園が、常総学院を破って悲願の甲子園初出場を決めた。

最後の打者を空振り三振に仕留めると、バッテリーは、力強く抱き合った。鈴木博識監督(70)は、甲子園に向けて「茨城の代表として、恥ずかしくない試合をしたい」と話した。

甲斐竣介主将(3年)は、涙をこらえながら「ここまでこられたのは、歴代のOBの方など支えてくれた方がいたおかです。去年の3年生は夢の舞台を目指せなくて『自分たちの分も行ってくれて』と言われていた」と明かした。

初回1死満塁、平塚将馬内野手(2年)の左前打で2点を先制。さらに押し出しで一挙3点を奪った。

先発の背番号1、右腕の藪野哲也投手(3年)は、多彩な変化球を中心に組み立て、打たせて取る投球。

2回に2死二、三塁のピンチを抑えると、その後は常総学院打線に的を絞らせなかった。9回に2失点したものの、被安打4で完投した。藪野は「初戦がつらくて、乗り越えてから自信がついた。そこからガンガンいきました」と話した。決勝については9回に1点差まで追い上げられ「最後、危なかったけど、強い気持ちで投げきりました。甲子園でまず初戦に勝って、そこからどんどん行きたい」と意気込んでいた。

◆鹿島学園 1989年(平成元年)に創立の私立校。生徒数は695人(女子259人)。野球部も創立と同時に創部。部員94人。甲子園出場はなし。OBにサッカー上田綺世、土居聖真、町田浩樹(いずれもJ1鹿島)、J2新潟島田譲、競泳の山野井絵理ら。所在地は茨城県鹿嶋市田野辺141の9。石塚孝男校長。