春の全道大会優勝校、札幌日大は札幌国際情報を11-7で下し、5年ぶりの決勝に進出した。2点差の9回1死一、二塁で主将の田中銀河捕手(3年)が2点適時二塁打を放ち突き放し、史上5校目の春夏連続優勝に王手をかけた。北海との決勝は、16年の再現で、2-7で敗れた雪辱を狙う。

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札幌日大がチームリーダーの貴重な一打で、夏は初となる甲子園出場に王手をかけた。田中銀主将は「まずは勝ち切れたのが大きいが、浮かれている時間はない。次勝つため、どうしたら良いか考えたい」と2季連続の決勝戦を見据えた。

嫌な流れを断ち切った。7点リードの8回裏、2番手で登板した高谷が4安打5失点で1死も取れず降板。2点差まで詰め寄られた。「登板したばかりの高谷を焦らせてしまった。自分がうまくリードできていれば。何とかバットで投手陣を助けたかった」。9回1死一、二塁、甘く入った高め直球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸び、左翼手の頭を越える貴重な2点適時二塁打となった。

決勝で対戦する北海には因縁がある。昨秋の全道大会準々決勝は0-10と大敗した。当時、遊撃手だった田中銀は6回無死一塁で送球ミス。このプレーがきっかけに5失点し、一気に差をつけられ7回コールド負けを喫した。「自分のミスがなければ。今は捕手なのでチームへの影響力も大きい。落ち着いてプレーし、いい流れを呼び込みたい」と気を引き締めた。

準々決勝までは2戦計8打数2安打の打率2割5分とスイッチが入らなかったが、この日は3安打3打点。「1番打者としてチームに貢献出来ていなかった。ここからです」。夏の南大会決勝は12、16年といずれも敗戦。攻守のキーマンがチャンスをつくり、三度目の正直を果たす。【永野高輔】

▽札幌日大・前川佳 「(決勝で)投げられるありがたみをかみしめながら楽しみたい。厳しい戦いになると思うけど、強い相手と戦えることに感謝しながら力強く腕を振りたい。」

▽札幌日大・森本卓朗監督(40) 「1試合1試合を決勝だと思って臨んでいる。次もいつも通り集中して臨めるようにさせたい。」

▽札幌国際情報・有倉雅史監督(54) 「空いた5日間でうまく調整できていたと思ったが、立ち上がりが厳しかった。もうちょっとうまく入っていければよかった。」

▽札幌国際情報・木村(1回途中から167球のロングリリーフ)「相手が勝負強かった。夏は1、2年と連続で決勝を経験し3年も4強まで来られた。学んだことを生かし、大学でも本気で続けたい」

◆札幌日大の道大会決勝成績 夏の南北海道大会は12、16年の2度進出で、ともに同じ札幌地区相手に敗れている。春の全道大会は3度目の進出だった今年、北海道栄を3-2で下し初優勝。秋は3度勝ち上がり、初進出だった01年に駒大岩見沢を9-7で下し初制覇。その後の16、19年は敗れている。3季通じて札幌第一に4戦4敗を喫している。

◆春夏連続の道大会制覇 15年北海まで通算14度。最多6度の北海のほか4校が達成しており、駒大苫小牧、東海大四(現東海大札幌)が各3度、駒大岩見沢(閉校)、帯広北が各1度。