東海大菅生の「4番」が8得点7回コールド勝ちの先陣を切った。DeNA小池正晃コーチ(41)の長男、祐吏内野手(2年)が3回2死満塁で中前へ先制の2点適時打を放った。「すごくいい球で、手が出ちゃいました。見逃せばボール。バットに、うまく当たってくれました」と明かした。世田谷学園・建守に真っすぐ3球で追い込まれたが、外に逃げるスライダーを執念で拾った。

今春センバツでは5番だったが、夏を前に打順変更。4番に座った。が、今大会ここまで打率1割台に低迷。それでも、気持ちは落ちなかった。若林弘泰監督(55)に「準決勝、決勝に取ってるんです」と宣言し、同時に頭を整理した。長打を欲するあまり、体の開きが早くなっていたことに気がついた。先制打は「冷静に、右方向へ」と意識した結果だった。

父の教えも思い出した。「小さい頃から『まずは振らないと始まらないぞ』と言われてました」。打てない時こそ、原点に戻り、第1ストライクから振っていった。決勝の相手は、2年前の夏、準決勝でやられた国学院久我山だ。「先輩たちの借りを返さないといけません」。心意気も頼もしい4番となった。

▽東海大菅生・若林弘泰監督(13安打8得点で勝利も)「まだまだ力は出し切っていません。7、8割、出せば、もっともっと打てるはず。決勝では気持ちよく打ってほしい」