札幌山の手が過去4度全道優勝の登別明日中教校を12-0で下し、初出場初優勝を飾った。身長158センチのエース前田秋斗(しゅうと、3年)が毎回の16奪三振1安打で完封。9回2死で右足ふくらはぎがつるアクシデントもあったが「気持ちで投げた。最後までみんなが守ってくれた、うれしい」と勝利を喜んだ。

チームは硬式でベンチ入りがかなわなかった選手で今年度に結成された。ボールの違いに戸惑い、前田は「滑ったりして、カーブとか変化球も抜けていた」。地区大会が終わると、多い時で1日約100球を投げ込み手になじませた。

野手陣も打撃で苦労した。硬式球に比べ飛びづらく、倉部匠主将(3年)は「最初はなかなか前に飛ばすのが難しかった」。個人練習からバットを短く持ち、コンパクトな振りでミートすることを心がけ、この日の13安打につながった。

全国大会は25日から兵庫・明石トーカロで開幕する。渡部創太監督(22)は「選手たちが強い気持ちを持っていたから勝てた。全国で1勝をして、ここまで戦ってきたチームに恥ない試合をしたい」。倉部は「粘り強い戦いをして、1回戦突破を目指したい」と誓った。【山崎純一】