全国高校野球選手権新潟大会を新型コロナウイルスの影響で出場辞退した中越が3日、「3年生最終試合」と銘打った引退試合を三条パール金属スタジアムで行った。背番号が1桁の主力中心のAチームと、背番号2桁台と背番号なしの選手らで構成するBチームが対戦。両チーム合わせて3年生全38人、2年生3人、1年生1人が出場して9回を戦い、Aチームが6-2で勝った。

試合前、スタンドの父母に向かって整列したナインを代表して、主将の鷲沢皇源一塁手(3年)が「全力プレーで恩返しします」とあいさつした。試合が9回裏になると、父母たちがバックネット裏で横断幕を掲げた。「いつも甲子園を強く意識して過ごした日々は、私達保護者にとっても幸せな時間でした。お疲れさま。ありがとう。」

7月11日だった。学校側は新型コロナウイルスの陽性反応が生徒から出たことをホームページで公表した。13日には検査の結果、校内に感染が広がっていることを発表し、18日まで臨時休業を決定。16日に初戦を迎えるはずだった中越は、規定に該当(感染症で試合当日に学校が臨時休業の場合は欠場)し、13日に出場を辞退した。夏の甲子園11回出場の同校は、今夏も優勝候補の一角に名を連ねていた。

「このチームで甲子園をかけて戦いたかった」と話した本田仁哉監督(44)は「彼らの思いを毎年、語り継いで、強い中越を作っていきたい」と決意を新たにした。「この試合を、けじめにする」という鷲沢主将は「最終試合でもあるけれど、スタートラインという意識で臨んだ」と、出場辞退の悔しい思いを振り払って前を向いていた。