ノースアジア大明桜(秋田)の最速157キロ右腕・風間球打(きゅうた)投手(3年)が帯広農(北北海道)戦に先発し、9回7安打2失点で完投。旧校名の秋田経法大付時代の90年以来、31年ぶりとなる夏の甲子園で初戦突破を決めた。日刊スポーツ評論家の田村藤夫氏(61)が、風間の投球をチェックした。

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12日に55球を投げた影響は感じなかった。ノーゲームとなった試合よりも、制球が良くまとまっていたと思う。フォークの落差もあり、スライダーも前回よりはキレがあり、何よりもフライが多かったのが特徴的だった。それだけ風間の球質が重いためで、打者は詰まらされていた。

帯広農は、順延となったこの2日間で、風間のストレートへの対応をしっかりしてきた印象を受けた。右打者がストレートを左翼へ引っ張った場面から、よく対応してきたと感じた。研究してきた帯広農に対して、風間も意欲的にストレートを投げ込んでおり、積極的なピッチングだった。

帯広農は、積極的に足を絡めてきた。走者を出してから風間が1度もけん制を入れなかったことは意外な気がしたが、クイックは1・19秒前後でタイムとしては悪くなかった。球威、制球が乱れることもなかった。

140球で完投したことも評価できる。最後までストレートは走っており、9回の最後の打者にも146キロを記録した。夏の甲子園とはいえ、曇り空で炎天下ではなかったこともあり、コンディションとしては恵まれたが、完投能力があることを示してくれたのはよかったと思う。(日刊スポーツ評論家)