学法石川のド迫力打線が火を噴いた。前日4日は、11安打を放ち20得点を挙げるも3回降雨ノーゲーム。仕切り直しの決勝では15安打14得点の猛攻で夏の福島大会準優勝の光南に14-4で快勝。新チーム初陣となった県南支部大会を圧勝Vで飾った。

3番倉田春也外野手が初回に先制2ランを放つと、4番上野洸明内野手(ともに2年)が、2本の適時打を含む3安打の大暴れ。学石ナインは上げ潮ムードに乗って、15日開幕の秋季福島県大会に乗り込む。

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3番倉田が快勝劇の号砲を鳴らした。0-0の1回1死三塁。カウント1-1から内角直球を振り抜いた。「打った瞬間にいったなと思った」と振り返る会心の一打は、左翼芝生席へ一直線に飛び込む先制2ラン。ガッツポーズでダイヤモンドを回り「絶対に打てると思って、打席に入った結果です」と胸を張った。

4番上野のバットも黙ってはいない。3安打猛打賞3打点で主軸の責務を果たした。3回降雨ノーゲームとなった前日の一戦から7打席連続安打をマーク。好調の要因に、憧れの存在のパイレーツ筒香嘉智外野手(29)を挙げた。上野は「動画で筒香さんの逆方向にも打球が伸びていく打ち方を研究している。その結果が出てきた」。3-0の2回2死一、二塁の場面では本家同様の豪快なフォロースルーを描く右翼フェンス直撃の適時打で2点を追加。「学石(がくせき)のツツゴウ」襲名に名乗りを上げた。

大会前にはレギュラー陣を発奮させる“事件”が起きた。新チームが始動し、控え組との紅白戦で完敗を喫した。現2年生には倉田、上野をはじめ、1年秋から主力として活躍する選手が数多くいる。倉田は「1年から試合に出場する選手が多くて、『若いチーム』だと言われて良い気になってしまっていた」。忘れかけていた謙虚な気持ちを取り戻し、圧勝Vで県南支部を制した。

秋季東北大会(10月7日開幕、青森)につながる秋の福島県大会は15日に開幕する。佐々木順一朗監督(61)は「先のことは考えずに、一喜一憂せずに1戦1戦やっていく」と言葉に力を込めた。地に足をつけて、一戦必勝を貫く。【佐藤究】

○…背番号11の最速145キロ右腕、阿部琉乃(りょうだい・2年)が、エース級の投球を披露した。先発し5回をノーヒット。初回、先頭に四球を与え、失策が絡んで1死一、二塁のピンチを招いたが、後続を2者連続三振。キレのある直球を軸に、2回以降は完全投球。「ストライク先行で、自分の投球ができた」と納得の表情だった。