4年ぶりの優勝を目指す駒大苫小牧が室蘭栄を5-2で下し、2年連続の全道出場を決めた。伊藤駿哉投手(2年)が4安打2失点、11奪三振で公式戦初完投。背番号はOBの日本ハム伊藤大海投手(24)が2年時の14年センバツ出場時に付けた15番。昨年、直接アドバイスを受け成長した“2代目伊藤”が勝利に導いた。

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駒大苫小牧の背番号15、伊藤が最後まで気合のこもった投球で試合を締めた。9回2死、最後の打者を遊ゴロに打ち取ると「うりゃ」と短く雄たけびを上げた。この秋、初めてベンチ入りし、これで3試合連続先発。この日の三振11個を含め、計14回で21奪三振と量産し「今日はストレートでうまく押せた。打たせて取ろうという姿勢が三振につながった」と振り返った。

背番号15はOB伊藤大海が1年秋に付け全道優勝し、翌春センバツでも背負った番号だ。あこがれの存在と同じ番号で躍動し、伊藤は「動画で当時の大海さんの映像を見たことがある。背番号をもらったとき、とても重みを感じた。この番号を付けて、自分も甲子園で投げてみたい」と思い描いた。

昨年は直接、助言も受けた。苫小牧駒大(現北洋大)時代、週1回程度、同じ苫小牧市内にある母校を訪れた伊藤大海に、一緒にトレーニングしながら指導をしてもらった。伊藤は「体重移動の方法で、大海さんから『低い状態で、後ろから前に100から100になるように』と言われた。その意識を続けてきて、かなり球威が増した」と成果を口にした。

北見市出身も「(楽天)田中将大さんや大海さんみたいになりたくてここにきた」と言う。入学時110キロあった体重は、1年半で絞り込み現在は179センチ、86キロ。体格は現在の伊藤大海の176センチ、82キロに近く、がっちりしている。最速はまだ134キロだが、佐々木孝介監督(34)は「球が重く、打たれても打球があまり伸びない」。パワフルな2代目が、次は4年ぶり秋の頂点へと、けん引する。【永野高輔】