函館、空知など4地区で代表決定戦が行われ全道代表校が出そろった。函館地区は昨秋全道4強の知内が函館大柏稜を6-1で下し、2年連続全道出場を決めた。全道大会は22日に組み合わせ抽選、10月1日に札幌円山ほかで開幕する。

知内が最速147キロのプロ注目左腕、坂本拓己が6回3安打1失点、7回から2番手で登板した最速141キロ右腕、馬躰(ばたい)光瑛(ともに2年)が3回完全投球と、3戦連続で自責ゼロの継投。坂本は「後ろに馬躰がいるから思い切っていけた」。馬躰は「坂本が速球派なので変化球を生かし流れをつなげた」と笑顔で話した。

2人とも今夏の南北海道大会を経験。初戦の北海道栄戦は坂本が2点ビハインドの5回1死二、三塁から登板し2安打1四球1暴投で2点を失い、8回から登板した馬躰も1回1安打1四球1失点と流れを引き寄せられないまま敗れた。坂本は「気持ちの弱さが出た」。馬躰は「四球で自滅した」と振り返った。

成長を求め臨んだ8月上旬の東北遠征では花巻東、青森山田など甲子園経験校との練習試合に登板し、ともに手応えをつかみ帰ってきた。8月下旬にコロナ禍の影響で2週間練習自粛。地区開幕4日前の8日の練習再開まで坂本は「部屋でスクワットをしていた」。馬躰は「毎日ボールをつかみ感覚が鈍らないようにした」。寮の部屋にこもり練習ができない中でもイメージをふくらませ、何とか地区突破につなげた。

昨秋は全道4強で21世紀枠候補選出も落選。坂本は「まず去年の4強を超える」。逆境を越えつかんだ力を糧に再進撃し、聖地をたぐり寄せる。【永野高輔】