秋季東海地区高校野球静岡県大会の準決勝2試合が、2日に草薙球場で行われます。東海大会出場3枠のうち、勝者が2つを決める大一番。8月下旬から始まった各地区大会と県大会を継続取材するフリーライター・栗山司氏(44)が、準決勝で激突する4チームの注目選手を紹介します。

▼2日の準決勝組み合わせ

【草薙球場】

日大三島-静岡(10:00)

聖隷クリストファ-浜松西(12:30)

 

◆足もある強打の2番

日大三島・寺崎琉偉外野手(1年=富士市立富士南中出) 

左の強打者が、打順2番で大暴れする。富士リトルシニア出身で、中学3年時には県選抜チームに入った経験を持つ。今秋にレギュラーをつかむと、9月25日の県大会準々決勝(10○9掛川西)では、二塁打と三塁打各1本を含む3安打4打点と大活躍した。全身を使った打撃フォームでスイングが速く、右翼方向中心に鋭い打球を飛ばす。脚力も持ち味で、遊ゴロでも間一髪で内野安打をもぎとる。

 

◆プロが狙う最速147キロ

静岡・吉田優飛投手(2年=富士宮一中出)

名門チームの背番「9」は、右翼手を兼ねる最速147キロ右腕。来年のプロ野球ドラフト候補に挙がる逸材だ。身長186センチ、体重83キロの大柄で、スケール感が魅力。9月23日の県大会3回戦(4○1加藤学園)で公式戦初先発し、1失点完投。球速は143キロ止まりだったが、パワーに頼るだけでなく、変化球を低めに集めるなど、勝てる投手に進化した。投げれば投げるほど、たくましくなっている印象だ。

 

◆継投なし絶対エース

聖隷クリストファー・弓達寛之投手(2年=神戸市立山田中出) 

浜松商と掛川西を春夏計8度の甲子園に導いた名将・上村敏正監督に「ウチは継投を考えていない。彼がダメなら、そこまで」と言わせる信頼感がある。9月23日の県大会3回戦では、優勝候補の浜松工を4安打完封(2○0)。内外角に出し入れができる制球力を持ち、けん制、フィールディングも巧みだ。同25日の準々決勝(4○3静岡市立)では、相手が試みた送りバントを次々に処理し、進塁を許さなかった。

 

◆4番を打つ剛球投手

浜松西・牧野龍之介投手(2年=湖西市立鷲津中出)

28年ぶりのベスト4に貢献した。最速141キロの剛速球で押すパワーピッチャー。9月5日の西部地区大会敗者復活戦(8○3浜松湖東)では2番手でマウンドに上がり、3イニングで5奪三振。同25日の県大会準々決勝(5○4沼津東)でも先発で6回6奪三振と、球威で圧倒した。浜口大輔、林拓実を含めた2年生3人で継投し、初優勝を目指す。牧野は4番打者としても、広角に長打を放つチームの柱だ。