土浦日大が、主砲の1発で準決勝進出を決めた。

4回、先頭の吉次悠真外野手（2年）が中越えの先制ソロ本塁打。アウトコース高めの真っすぐを振り抜き、ライナーでバックスクリーン右へ突き刺した。投げては先発の山田奏太投手（2年）が打たせてとる投球で、この1点を守り切った。

「泣きそうでした」。吉次の熱い思いを込めた1発だった。今大会はここまで不調で4番の役目を果たせず。「今日は打順を落とされるかもしれない、と不安でした」。試合前、4番を告げられると「期待に応えるしかない」と闘志がわいた。

初回は、1死一、二塁から真っすぐを振らされ遊撃への併殺打。「次の打席はこの真っすぐを捉える」と誓い、狙い通りの球を仕留めた。高校通算5本目のアーチ。「右中間に抜ける打球が自分の打撃。逆方向に狙って、それをホームランにできたのは理想的でした」とうなずいた。小菅勲監督（54）は「吉次はあそこ（センター）に入れられる能力を持っている。今まで当たっていなかったから、いいきっかけになった」と、目覚めの1発を喜んだ。

守備でも、50メートル走6秒0の俊足を生かし、広い守備範囲で盛り立てた。俊足巧打の逸材に、スタンドでは早くも4球団のスカウトが目を光らせた。関東大会出場まであと1つ。吉次は「今夏、去年といつも甲子園出場の目前に負けている。今年は絶対に行きたい。自信はあります」と、力強く話した。