怪物1年生スラッガーが明治神宮大会(11月20日開幕)に見参する。花巻東・佐々木洋監督(46)の長男で高校通算47本塁打を誇る麟太郎内野手が「3番一塁」でフル出場。秋の東北大会初優勝を決定づける一打を放った。「新チームが始まってから『東北優勝』の4文字を掲げ、執念を持って練習し、優勝できたので、ホッとしています」。4打数1安打2打点で1発は生まれなかったものの、貴重なダメ押し点を決めた。

右翼から左翼方向へ強風が吹き荒れる中、流れに逆らわなかった。1点リードの5回2死一、二塁、初球の外角低めスライダーを捉え、左越えへ2点適時二塁打。「準々決勝からあまり打てず、迷惑をかけていて『自分がやるんだ』という気持ちでした。勝利に貢献できて良かった」。中軸としての仕事を全うした。

経験豊富な1、2年生が多く「歴史をつくるのではなく変えよう」(佐々木監督)と初優勝だけを見据えてきた。今年はOBのマリナーズ菊池、エンゼルス大谷がオールスター戦にダブル選出。さらに大谷は大リーグで日本人過去最多の46本塁打を放つ歴史的な1年になった。チームとして明治神宮大会初出場を決め、佐々木麟は「過去の先輩方が見たことのない景色なので『歴史を刻む』というのを大事にしてやっていきたいです」。新たな怪物が悲願の日本一へアーチを量産する。【山田愛斗】