関東地区代表の明秀学園日立(茨城)は2回に先制するも、すぐに逆転を許し、中盤1点ずつを返し5回には1点差に迫ったがあと1歩及ばず。準々決勝進出はならなかった。

先発の猪俣駿太投手(2年)は、得意の真っすぐは高めに浮き、スライダーもキレを欠いた。完投したが、14安打5失点。「いつも通りの投球ができなかったのが反省です」と悔しそうに話した。

疲れは明らかだった。県大会準々決勝から関東大会準決勝までの5試合を1人で投げ抜き、決勝戦でも先発。関東大会が終わり、約2週間。疲れをとるために、練習では軽くキャッチボールに立ち投げ程度で調整したが、本来の調子とはほど遠い。「ヒットを打たれても、ホームは踏ませない」と粘り強い投球を目指したが、修正はできなかった。

一気に駆け抜けた1カ月半だった。今年、茨城県大会は、県独自の緊急事態宣言のため予定よりも1カ月遅れの10月に開幕。選手たちは、この約1カ月半、神宮大会まで緊張感を切らすことなく、上を目指した。猪俣は「低めに投げれば、全国でも通用することが分かった。ただ、今日はそこまで投げきれなかった。この冬は、まずは制球を磨くことが第一。その次にキレを高めていきたいです」。この苦い経験を、必ず次の舞台で生かす。