日本高野連は28日、選考委員会を開き、第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に出場する32校(一般選考枠28校、21世紀枠3校、神宮大会枠1校)を選出した。中国・四国からは昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵(広島)が3年ぶり25度目の出場を決めた。

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センバツ3度優勝を誇る「春の広陵」は投打でキャストがそろう。なによりも1年生4番の真鍋慧内野手の強打に注目だ。189センチ92キロと体格に恵まれる左打ちのスラッガーが真価を発揮したのは昨年11月の明治神宮大会だ。23日の花巻東(東北・岩手)戦で右翼ポール際にアーチも放ち、大舞台での勝負強さを証明。25日の決勝大阪桐蔭戦では同じスーパー1年生の前田悠伍投手の速球を右前に運んだ。「同学年で絶対に負けたくない、打ち取られたくない気持ちでした」と言い、早くもプロのスカウトも熱視線を寄せている。

約150キロのスイングスピードが豪快な打撃の源だろう。中井哲之監督(59)がつけた愛称は「ボンズ」だ。大リーグ歴代最多762本を放ったバリー・ボンズになぞらえるほどのスケールがある。指揮官は「広角にホームランが打てるバッターになってくれたら」と期待を込める。甲子園の青空に白い放物線を描けるか、注目が集まる。

エースの森山陽一朗投手(2年)は最速143キロの本格派右腕だ。明治神宮大会決勝の大阪桐蔭戦は痛打されて4回途中KOの屈辱を味わった。「自分の実力がないと分かった。強い相手と戦って、冬の練習にしっかり取り組んで、春には倒したい」と前を向く。プロが注視する好投手も、聖地での活躍を目指す。春夏通じて甲子園に47回出場の名門校が、頂点奪取へ、着々と準備を整える。

◆広陵 1896年(明29)設立。生徒数は1301人(女子473人)。野球部は1911年創部。部員数99人。甲子園出場は夏23度。春は25度目。夏は準優勝4度、春は優勝3度、準優勝3度。主なOBは小林誠司(巨人)、有原航平(米大リーグ・レンジャーズ)、佐野恵太(DeNA)ら。所在地は広島市安佐南区伴東3の14の1。国貞和彦校長。

◆広陵の甲子園成績 通算117試合=72勝44敗1分け、勝率6割2分1厘(春60試合=38勝21敗1分け、勝率6割4分4厘。夏57試合=34勝23敗、勝率5割9分6厘)