第94回選抜高校野球大会(3月18日~30日、甲子園)の選考委員会が28日に行われ、昨秋の東海大会優勝の日大三島が38年ぶり2度目のセンバツ切符を手にした。同大会準優勝の聖隷クリストファーは落選し、春夏通じて初の甲子園出場に届かなかった。1987年の富士、富士宮西以来35年ぶりとなる県勢2校同時出場は、実現しなかった。組み合わせ抽選会は、3月4日に行われる。

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一般選考で最大のサプライズは東海地区2校目の大垣日大(岐阜)だった。昨秋の東海大会で準優勝だった聖隷クリストファー(静岡)の選出が濃厚との見方だったが東海4強の大垣日大が“逆転”で選ばれた。選考委員会でも2校の選出を巡って拮抗し、賛否が真っ二つに分かれたという。

投打の総合力で大垣日大が上回ると判断された。東海大会初戦で静岡の好投手吉田優飛投手(2年)を攻略し、2回戦で愛知1位の享栄に競り勝った点もプラス要素になった。一方の聖隷クリストファーは失点を重ねて痛手になった。東海地区1校目は日大三島が選出されていた。「勝つ可能性が高いことを基準に判断した」と選考委。静岡2校選出の地域性の偏りは判断材料にならず、センバツで勝てる力量から見極めた。

近畿地区もし烈だった。5校目は実力で昨年春夏甲子園出場の京都国際を順当に選出。6校目は昨秋和歌山県大会優勝で近畿大会1勝の市和歌山が入った。7校目は東洋大姫路と近江が競った。東洋大姫路は昨秋の近畿大会初戦で強豪智弁学園(奈良)に完封勝ち。高い守備力も評価された。近江は好投手の山田陽翔投手(2年)が故障で昨秋公式戦に登板できず、アピール不足になってしまった。

関東・東京地区は6校目に注目が集まった。関東大会8強の東海大相模と東京大会準Vの二松学舎大付の一騎打ちになった。二松学舎大付はチーム一丸で戦える点が高評価で、東京大会決勝でも9回2死までリードしていた力量にも言及。東海大相模は絶対的なエース不在で投手力が不安定な点がマイナスに働き、涙をのんだ。

中国・四国地区の5校目は中国4強の倉敷工と四国4強の明徳義塾が競った。投手力と守備力は互角。打力で倉敷工が上回り、地域性も考慮され、残り1枠に滑り込んだ。21世紀枠は総合力で高評価の大分舞鶴、福井勢初選出の丹生が選ばれ、3校目は豪雪の過疎地域で奮闘する只見に白羽の矢が立った。【酒井俊作】