第94回選抜高校野球大会(3月18日~30日、甲子園)の選考委員会が28日に行われ、昨秋の東海大会優勝の日大三島が38年ぶり2度目のセンバツ切符を手にした。

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日大三島に38年ぶりの歓喜の瞬間が訪れた。午後3時23分。渡辺武一郎校長(55)の前に置かれた電話に、1984年以来2度目のセンバツ出場を告げる吉報が届いた。緊張した面持ちで報告を受けたナインにも安堵(あんど)の笑みが広がる。野球部の歴史に新たな1ページが刻まれた。

昨年11月。東海大会を前に関西遠征を行っていたナインは、甲子園を訪れた。永田裕治監督(58)が、練習試合後に用意したサプライズだった。加藤大登(ひろと)主将(2年)は「ここに戻って来てプレーしたい」。観客席で抱いた思いが現実になる。「新チーム発足当初は、正直ここまで来られると思っていなかった。甲子園では全員野球で一丸となって戦う姿を見せたい」と目を輝かせた。

喜びと同時に、本番までのカウントダウンが始まった。報徳学園(兵庫)を率いて春夏通算18度の甲子園出場を誇る指揮官は、17年春以来5年ぶりに聖地に戻る。「身の引き締まる思い。選手が本番で100%以上の力を出せるようにするのが、私の仕事。春に向けてベストな状態に仕上げていきたい」と言葉に力を込める。選手たちも、決意を新たに練習に向かった。

38年前のセンバツでは2回戦敗退も、聖地初勝利をつかんだ。エースで4番の松永陽登(はると、2年)は「全員野球で1戦1戦勝っていくことが目標。浮かれずに、しっかりチームをつくっていきたい」と言った。本番までは約2カ月。地に足をつけ、先輩超えの準備を進めていく。【前田和哉】