大敗の中で、国学院久我山・斎藤誠賢外野手(3年)が、甲子園での球友との再会に刺激を受けた。

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10点を追う9回2死一、二塁。中前適時打を放つと、一塁ベース上で勢いよく右手を突き上げた。「一心不乱に気持ちで打ちました。最後に海老根に飛んでいくのは、縁を感じました」とかみしめた。

大阪桐蔭の中堅・海老根優大外野手(3年)とは中学時代、東都京葉ボーイズでチームメートだった。打順は斎藤が4番で、海老根が1番。ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)し、甲子園での対戦を約束していたという。試合前には「センターにいる海老根に打ち返したい」と宣言。有言実行の一打だった。

ゲームセット直後。一塁走者だった斎藤は、マウンド付近で海老根を待った。整列に向かうまでの短い時間が“同窓会”となった。「ナイスゲーム。いいバッティングだったよ」と互いをたたえた。

斎藤は「改めて優大(海老根)のすごさを身に染みて感じた。夏は今以上にレベルを上げて、臨んでいきたい」と力を込めた。イチロー氏の打席でのルーティーンを取り入れたことでも話題になった男は、敗戦の悔しさを糧に、夏の再会を誓った。【阿部泰斉】