伝統校のエースが、堂々と投げ切った。昨秋県8強の福島商が福島に9-2で7回コールド勝ちした。金子直央投手(3年)が3安打10奪三振2失点(自責0)で完投。冬の努力を結果で示し、決勝進出と県大会(5月14日開幕)出場に導いた。

初回から躍動感あるフォームで1球を投じた。整備されたマウンドに上がると、左足を高く上げてホームへ大きく踏み出した。力強い直球を軸に3者連続三振で好スタートし、同裏に仲間が重盗で先制点をもぎ取ると、2回も3者凡退で流れを呼び込んだ。「初回の入りが課題なので良いスタートが切れて良かった」。以降は打線の援護を受けながら、散発3安打の好投で快勝した。

新チームの昨秋から背番号「1」。8強入りに貢献しても「自分の中では悔しくて」と満足はなかった。今冬は200メートルを30秒以内に走るタイム走やジャンプトレーニングで下半身を強化。「このフォームだとブレが大きいのでブレをなくすために冬やってきた。秋よりはどっしり感がある」と実感する。中堅を守った佐藤洸心外野手(3年)は「変化球が下に集まっていてバッターも見逃している感じがあった。2ストライクに追い込んでからはエースの安心感がすごくあった」とたたえた。

学校創立は1897年(明30)。125周年を迎えた伝統校の背番号「1」に責任と誇りを持つ。この日は味方の失策で2失点。自責0でも「2失点は重く捉えていて、自分が背番号1をつけていてエースの役割が全うできなかったという反省がある」と金子。5月2日は学法福島との決勝戦。県大会につなげるためにも、私学相手に快投を演じてみせる。【相沢孔志】