清原和博氏(PL学園)と並び高校通算64本塁打を誇る花巻東のスラッガー、佐々木麟太郎内野手(2年)が、新年度最初の公式戦で適時二塁打を放った。この日はOBのブルージェイズ菊池雄星、エンゼルス大谷翔平も身につけた背番号「17」を昨夏以来まとい、「3番一塁」で先発。第1打席は空振り三振、第2打席は死球、第3打席は四球、第4打席は適時二塁打で2打数1安打2四死球だった。チームは5回コールド勝ちで県大会出場を決めた。

佐々木麟が最終打席で意地を見せた。4回2死二塁で迎えた第4打席。フルカウントから低めのスライダーをうまく拾い、中越えに適時二塁打を決めた。もうひと伸びで本塁打だった。「自分の思ったようなスイングができず、たまたま崩されて打球が風に乗りあそこまでいった感じなので、まだまだ調子を上げないといけない」と厳しい自己評価。代走を送られてお役御免となった。

昨年12月に両肩の胸郭出口症候群の手術をした影響で、今春センバツは大会直前に戦線復帰。万全な状態とは言えず、初聖地は4打数無安打(2三振)のほろ苦デビューとなった。現在も「スイングスピードや打球速度が落ちて、自分が思うようにバッティングができていない状態」と明かすが、センバツ出場時に先輩大谷と並び56本だった本塁打数を、練習試合で64本まで伸ばした。

先発したレギュラー選手のほとんどが、2桁背番号でグラウンドに立った。佐々木洋監督(46)はその理由を「まだ地区なので、3年生にもチャンスを与えながら最終的には力のあるものが(1桁番号を)つけていくと思います」と説明。佐々木麟は昨秋からセンバツにかけて「3」を背負ったが、「17」で花北青雲戦を迎えた。

「センバツが終わってからゼロからスタートする意味でも初心に返って、去年の結果をすべて忘れて、自分なりにリセットできたらと思っているので、去年の結果は一切気にせず、今年は今年で最高のパフォーマンスをしたい」

注目の2年生スラッガーが、夏に向けて状態を徐々に上げていく。