明秀学園日立が5年ぶり2回目の優勝を決めた。

主砲の石川ケニー外野手(3年)が打線をけん引した。1回1死一、二塁から「変化球を狙っていた」と内角のカーブを引っ張って右翼芝生席へ運ぶ先制3ラン。6回にも2死満塁から右前適時打で6点目をたたき出した。

イメージ通りの打撃だった。前日からつくば秀英の左投手を想定し練習。「特に緩いカーブで体が開いてしまう。なるべく逆方向のイメージを持って引っ張ることを意識。今日はその通り打つことができました」と、3安打4打点の活躍。試合前、金沢成奉監督(55)の「石川が打てば、チームは勝てる」という言葉通り、勝利に導いた。

主将としての責任を全うした。今大会が始まった時は、チームの打撃が振るわず、その責任を背負い、自身の調子も上がらなかった。3回戦終了後の4月下旬、金沢監督から「真面目になりすぎ。試合になったら自分らしくいっていい」と言われた。「気持ちが吹っ切れました」。その後、腰の疲労骨折も判明したが、病院の許可を取り、痛み止めを飲んでコルセットを巻き強行出場。準決勝では2安打2打点。この日も主将としての存在感を示した。

センバツが終わり、チームは「組織力」を目標に掲げ、少しずつチーム力を上げてきた。「全部夏の大会に向けて試合をしている。これからはチームとしてもっと内容のいい試合をしていきたい」。主将として、チームを力強く甲子園へ導くつもりだ。

明秀学園日立、つくば秀英は5月21~29日、栃木県で開催される春季関東大会に出場。明秀学園日立は、初戦で銚子商と青藍泰斗の勝者と。つくば秀英は作新学院と対戦する。【保坂淑子】