新型コロナウイルス集団感染のため、3月のセンバツ出場を辞退していた京都国際は「コロナ後遺症」の影響も受けて敗退した。左腕先発の杉原望来投手(2年)の制球が定まらない。1点先制直後の3回、押し出し四球で同点になった。4回は3四死球で満塁のピンチを招き、遊撃への適時内野安打で勝ち越された。

5回に追いついたが守備も乱れた。6回無死一塁。2番手の平野順大外野手(3年)がけん制悪送球で三塁進塁を許すと、遊撃の奥井颯大内野手(1年)がゴロを捕り損ねて適時失策を犯し、再び勝ち越された。堅守で鳴らすチームカラーだが、不安定な試合運びで流れを引き寄せられなかった。プロ注目のエース森下瑠大投手(3年)は9回2死三塁で代打出場したが、二ゴロに倒れ、最後の打者になった。小牧憲継監督(38)は惜敗を振り返った。

「今日は(森下を)投げさせるつもりはなかった。このチームは森下におんぶにだっこ。森下抜きでどこまでやれるか…」

今春センバツは優勝候補に挙げられたが、開幕前日の3月17日に出場を辞退。大会前のPCR検査で13人の陽性が確認された。選手は3月中は自宅待機。近畿地区の補欠1位校の近江(滋賀)が代替出場してセンバツ準優勝。その戦いぶりに触れながら4月1日から練習を再開した。小牧監督は「なかなか(コロナの)後遺症といいますか、いろんな選手が、あちこち痛いと。よくアスリートで若い子たちが関節炎になるみたい。なかなか思い通りに進んでいない現状です」と実情を明かした。チーム内で約20人が感染したという。夏に向かってスタートを切ったが「コロナ後遺症」と戦いながら前に進む。