初回に3点を挙げた関東第一(東京1位)が、快勝発進を決めた。

1回1死三塁、プロ注目の強打者、井坪陽生外野手(3年)が直球を強振した。「引っ張ると詰まってしまうので、右方向を意識しました」。打球は右中間を破り、先制の適時三塁打となった。5回にはスライダーを捉え、左中間への三塁打。「変化球は自分のゾーンに入ってきたタイミングで捉えました」。右へ左へ、長打力をアピールした。都大会からの修正が好調の要因だ。「都大会では引っ張りを意識していたんですが、終わってからは体の開きを抑えるように、練習で意識しました」。より強い打球が打てるように成長した。

今春のセンバツを見て、奮起した。テレビで見た憧れの甲子園。そこに映ったのは、浦和学院・八谷晟歩内野手(3年)、大阪桐蔭・海老根優大外野手(3年)、星稜・マーガード真偉輝キアン投手(3年)ら、U15日本代表で一緒に戦ったチームメートたちのプレーだった。「悔しかった。いい刺激になって、気持ちの面でエンジンがかかりました」。夏こそ彼らと同じ舞台に立ちたい。その思いでバットを振った。昨秋はチャンスでの打撃に課題を残したが、関東大会初戦で見事に結果を残した。

目指すは夏の甲子園。「今大会は優勝を狙います。夏に向けて課題を見つけてレベルアップしたいです」。大きな目標に向け、井坪は突き進む。【保坂淑子】