3年ぶりの有観客による全道大会が開幕した。2年連続36度目出場の北照が白樺学園に7-3で逆転勝利した。2年生4番の今枝優真右翼手が1回2死二塁、大会1号となる先制の2ランを放ち、10安打で打ち勝った打線をけん引した。昨年覇者の札幌日大と東海大札幌も初戦を突破した。

「北照のカブレラ」が幸先良くかっ飛ばした。1回だった。今枝が内角直球を振り抜き、左翼スタンドに運んだ。2点先制。スタンドインを確認しても、必死に走った。次の打者のリズムを崩さないために、ボールがバットに当たってから19秒以内での走塁完了というルールをチームが徹底しているためだった。何とか18秒台前半で生還し、3年ぶりに入った観客の注目を独り占めした。「とてもうれしい。メモリアルホームランになった」と喜んだ。

好きな選手は西武ほかで活躍したアレックス・カブレラ。ゲーム「プロ野球スピリッツシリーズ」プレー中に「当たると全部本塁打になる」パワフルな打撃に魅了された。ユーチューブでも映像を確認し、特大アーチを連発する姿にあこがれるようになった。「規格外のスイングがかっこいい」。打席に入る時にバットを持って背中を反るルーティンも以前はまねしていたほど。この日は公式戦3本目。今後もカブレラばりの量産を狙う。

冬場に「カブレラ化」を敢行した。ウエートトレーニングをやり込み、体重は3キロ、胸囲は5センチプラスの100センチにパワーアップ。力強い打球を繰り出す。スタンドにある3年生の姿が、気持ちを奮い立たせる。「試合に出させてもらっている以上、堂々とはつらつとしたプレーを見せたい」とベンチ外の先輩の思いも背負う。

準々決勝では昨年の春覇者、札幌日大と対戦する。「次の試合も4番として打ち勝ち、北照を勝利に導きます」と宣言していた。【保坂果那】