聖光学院(福島1位)が土壇場力を発揮し、4年ぶり4度目の春の東北王者に輝いた。準々決勝から3試合連続で逆転。7回に打者一巡の猛攻で一気に3点ビハインドをはね返し、東北(宮城2位)に4-3で競り勝った。

東北のエース右腕・伊藤千浩(3年)が、顔をしかめた。3-1の7回2死二、三塁。相手4番に同点打を許し、なおも2死二塁の場面。カウント1-1から投じた3球目。甘く入った直球を中堅へ運ばれ、勝ち越しの決勝打を浴びた。「全力投球したけど、抑えることができなかった。気持ちの面で圧倒されてしまい、勢いに乗った聖光学院さんを止めることができなかったです」。1球1球に闘志をむき出しにする相手ナインの迫力に押された。5回2死三塁から3番手で登板。1回1/3を無安打に封じるも、試合終盤の7回に4失点と6年ぶりの優勝を逃した。

エースで4番は、バットで見せた。1-0の5回2死満塁。カウント1-1から内角直球を振り抜き、左翼線を破る2点適時二塁打で追加点を奪った。今大会は1本塁打を含む15打数6安打で打率4割をマーク。投げては、全4試合で救援登板するなど投打に活躍し決勝進出の立役者になった。「個人にとってもチームにとっても良い大会だった。甲子園で戦えるように、夏に生かしていきたい」と言葉に力を込めた。