ノーシードの鹿児島実が、1回戦屈指の好カードとなった名門校対決を制した。1-1の延長11回に、浜崎綜馬捕手(3年)の右前適時打で勝ち越し。2-1で逃げ切り、春季九州大会王者の神村学園を下した。

先発左腕のエース、赤崎智哉投手(3年)は11回を6安打1失点で完投。気温30度を超える猛暑日のなか、149球の熱投を見せた。「神村は基本的に決め打ちして打ってくる。そこを自分が逆をついて投げて抑えることができました」。勝利の瞬間は、快晴の空に向かってほえた。「もう、うれしかったです。9回から両足がつってました」と、大量の汗を流しながら振り返った。

昨年の準決勝では、延長10回の末に鹿児島実が勝利した。そして今年も死闘を繰り広げ、またも鹿児島実が勝った。これで夏の県大会に限っては、通算成績3勝3敗と五分五分。まさに因縁の対決だ。鹿児島実の宮下正一監督が「勝ったから言えるけど、胃が出てきそうなくらいプレッシャーでした。『チャレンジャーだから怖くねぇよ』って言っておきながら、私が一番怖かった。本当によくやってくれました」と、ナインをたたえた。