花巻農が壮絶な打ち合いの末に開幕戦を制した。黒沢尻北に12-11と競り勝ち、2回戦進出。最大6点リードから9回の4失点で1点差に迫られるも、序盤、中盤に作った「貯金」を生かして逃げ切った。牛崎佑斗内野手(3年)が3安打3打点と躍動。「みんながいい打球を打てていて、いい試合ができたと思う」と13安打の打線に手応えを示した。

牛崎佑が絶妙なバットコントロールで各方向に打ち分けた。まずは2回、右中間へ適時三塁打を運んで勢いに乗ると、4回は先頭で左前へ。5回は中前適時打、6回は中犠飛を放った。「逆方向、センター方向に打てたり、練習の成果が出て良かった」。昨秋、今春と県大会出場を逃したチームは逆方向への打撃に注力。打撃練習中に「逆方向、逆方向」と声をかけ合い、仮に引っ張った場合は、その打席が終了になるなど制約を設けながら練習に励んできた。

13日の2回戦は第1シード花巻東との同地区対決だ。「相手は打撃が素晴らしいので、守備からリズムを作って攻撃につなげたい」。昨秋の県大会地区予選では0-13の6回コールドで大敗。「そこから学んだ相手の特長を予想しながらチーム一丸で食らいつけるようにしたい」。昨秋、今春と2季連続で県大会を制した優勝候補から下克上を狙う。【山田愛斗】