第104回全国高校野球選手権千葉大会の開会式が行われ、153チームが元気に行進。入場したあとは、主将と副主将のみがグラウンドに残り、他の選手たちはスタンドに並んで座った。

選手宣誓は、薬園台・遠山楓人(かいと)主将(3年)が務めた。

「我々選手一同は、『枯木竜吟』困難を乗り越え再び輝こうとしています。私たちの高校生活はコロナ禍に始まり、野球はおろか、学校にいくことすら許されませんでした。学校再開後も、活動は制限され、思い通りにならないこともある中、それぞれ工夫し、練習を重ねてきました。そして今、家族や観客、ブラスバンドの戻ってきたスタンドのもと、選手はその成果を発揮します。野球伝来150年の年。先陣たちの偉業に敬意を表し、野球ができることへの感謝と、野球文化を継承していく野球人としての使命を胸に熱い夏を戦い抜くことを誓います」

ひと言ひと言をハッキリと、球場中に響き渡る大きな声で宣言すると、観客で埋め尽くされた内野スタンドから、大きな拍手が送られた。遠山は「無事に終えられて、ホッとしています」と話すと、ようやく笑みがこぼれた。

今年の3年生は、1年時はコロナ禍で夏の大会が中止に。その後も緊急事態宣言下で、高校生活を送ってきた。「宣誓の文章を考えていろいろ調べていたら『枯木竜吟』(苦境を脱して再び脚光を浴びること)といういい言葉が出てきて、入れてみようと思った」と冒頭に入れ、コロナを乗り越え迎えた夏の大会へ、思いを込めた。

緊張しないよう、両親からは「観客を野菜だと思って」とアドバイスされるも「実際に立ったら、全然(観客は)気にならなかったです」と、強心臓ぶりものぞかせた。薬園台の初戦は11日、安房拓心と対戦する。「精いっぱいプレーして、野球を楽しんでいい思い出にしたい」と力を込めた。