花北青雲が福岡工に6-4で競り勝ち、5大会連続白星スタートを飾った。昨夏もエース格として活躍した伊藤賢汰投手(3年)が「4番一塁」で先発。初回に先制打、3回に3ランの2安打4打点で打線を引っ張った。投げては2番手として5回2/3を2失点8奪三振の力投。投打で大車輪の働きを見せた。

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181センチ、88キロの大黒柱・伊藤が公式戦1号となる3ランを放った。1-0の3回1死一、二塁。「チャンスで回ってきたので、自分が決めてやろうという気持ちが強かった」。2ストライクからの3球目、内角高めボール球のカーブを振り抜いた。「入れ、入れ」と祈りながら走りだすと、打球は大きな放物線を描いて左翼芝生席へ。ボールを上からたたく練習に力を入れ、「練習通り」に高校通算4号を運んだ。

大ピンチで救援した。背番号「1」を背負う者として5-1の4回1死満塁からマウンドへ。「前のピッチャーが作ったピンチを抑えてこそエース」と自分に言い聞かせ、相手と対峙(たいじ)。味方の失策で1点を失ったが、最速136キロの直球を軸に大量得点は許さず。9回以外は得点圏に走者を背負うも、リードを粘り強く守り抜いた。

松浦友輔監督は伊藤を「エースで大黒柱」と信頼を寄せた上で、野球以外でも「授業態度や成績がいいし、小さいことを積み重ねられる真面目な子」と評価する。また野球ノートを書くようになってからは1度も休んだことがないという。

伊藤は初戦前、その野球ノートに決意を記した。「エース、4番として活躍できるようにやっていこう」。2安打4打点、好救援で有言実行した。13日の2回戦は伊保内・軽米連合と対戦。「ピンチで抑え、チャンスで点を取り、チーム、監督の期待に応えていきたい」。再び投打で花北青雲を支える。【山田愛斗】