昨秋県準優勝の久慈東が打線爆発で夏1勝を挙げた。黒沢尻工を11-1の5回コールドで下した。プレーボールから一気の6連打5得点で勢いに乗ると、5回までに17安打と機能。主将の4番村上琉紀内野手(3年)が初回に2点適時二塁打、5回にも適時二塁打を放ち、2安打3打点と勝利に貢献した。

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久慈東打線が猛威を振るい、3大会連続で初戦を突破した。村上は「黒工さんはいいチームだと聞いていた。自分たちは秋準優勝ですが、春は負けているので、チャレンジャーの気持ちで臨んだ」。初回に6連続長短打で一挙5点を奪い、2、5回に3点ずつ加点した。中村健監督は「『初回に集中』と選手たちに言い、応えてくれたと思う」と評価。「バッティングの質を上げるために、とにかくやってきた。長打も出たが、どの選手も芯で捉えていたので、春からの成長を感じた」と手応えを示した。

村上も初回無死二、三塁で左翼線へ2点適時二塁打を放ち、5回1死二塁でも左中間へ適時二塁打と主軸の役割を果たした。「春は4番として活躍ができなかったので、夏は何としてもランナーをかえしたいという思いだった」。目に見える結果でけん引した。

今春県大会での悔しさが夏の原動力だ。1回戦で注目の剛腕・斎藤響介投手(3年)を擁する盛岡中央を9-1で破るも、2回戦の水沢工戦は軟投派左腕を攻略できずに1-2で敗退。今大会に向けて、どんな投手も打てるように打撃の引き出しを増やすことを徹底し「試合をイメージして練習してきた成果が出た」。速球も遅球も対策は行った。

「公立から甲子園」が久慈東の悲願だ。「負けたら自分たちは終わり。全部勝つという思いでやっていきたい」。強豪私学が席巻する岩手で公立校の意地を見せる。【山田愛斗】