今年も東大合格者NO.1となった開成(東東京)が2年ぶりに初戦を突破した。16安打して18得点を奪う圧勝だ。もっとも、試合後の青木秀憲監督(51)は「最低です。ぶざまな試合をしてしまいました」と嘆いた。

やり玉に挙がったのがエース福家将寛投手(3年)だった。最速139キロを誇り、同監督が「本校には異例」という速球勝負の右腕だ。2回3者三振。3回も3アウトはすべて三振ながら、わずか1安打で3点を失った。「ウチの投手に求められるのはストライクを続けること。それができないんだから最低です」(青木監督)。

4回1死から連続四球を与え、降板命令が下った。3回1/3を被安打1、7奪三振も、四死球8を数えていた。試合前、雨で外野でのキャッチボールができず、ぬかるんだマウンドも制球を乱す原因になっていた。

福家は7回1死満塁から走者を一掃する二塁打を放った。「あれじゃあ帳消しにならないですね」。文武両道のチームをけん引するエースは、東大に進学して野球を続ける腹づもりだ。「今日は(バックに)助けられた。次回は自分が一番の勝利の要因に」と雪辱を誓った。【米谷輝昭】

◆開成 1871年(明4)創設の男子校。今年の東大合格者数は193人で、41年連続全国1位。主なOBは岸田文雄首相、渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆、矢作芳人JRA調教師ら。所在地は東京都荒川区西日暮里4丁目2の4。