今春センバツに出場したクラークが、北大会開幕ゲームで釧路明輝を8-1で下した。先発の左腕山中が5回2安打1失点、12奪三振の好投。2回に本塁打で1失点も、直後に6連続三振に切って取るなど立て直し、初戦突破に貢献した。「本塁打の球以外はしっかりチェンジアップを低めにコントロールできた」と振り返った。

春の全道は準々決勝の札幌第一戦に先発し、2回1/3 4安打3失点降板。セットポジションからノーワインドアップにフォームを変えたばかりで「体重移動がうまくいかなかった」。春の敗戦後、動画で自身のフォームを微調整し「体重をしっかりボールに乗せられるようになった」と手応えを口にした。

右の辻田とダブルエースがチームの柱も、背番号はセンバツ時同様1番。「信頼に応えないと。自覚と責任を持って、辻田と助け合って勝っていきたい」。エース番号を託した佐々木啓司監督(66)は「本塁打を打たれたところで目が覚めたね。その後も強気でいくところなんか、春から成長を感じるよ」と笑顔で話した。

昨夏は1回戦で滝川西に敗れた。1点差に追い上げた8回裏の得点機で右飛に倒れ、9回の守備では送球ミスから追加点を与えた。あの夏以来の旭川スタルヒン。「去年は何も出来なかった。みんなで1回戦からしっかり戦おうと話していた。いい形で勝てたのは次につながる」。地道に勝利を積み重ね、6年ぶりの夏切符につなげる。【永野高輔】

<釧路明輝 主将の意地>

釧路明輝は4年ぶり4度目の出場で北大会1勝はならなかった。2回先頭で4番塩崎主将が相手左腕山中から左越えに先制ソロ。内角低めの変化球を振り抜いた。「全打席狙っていこうと打席に立っていた。打った瞬間はフライになるかと思ったが、歓声で入ったなと思った」。強豪相手に貴重な1点を奪ったが、1-8の7回コールド負け。「今の2年生がまた来年ここに来て、自分たちができなかった1勝を成し遂げてほしい」と託した。

●6回8安打8失点だった釧路明輝先発の松尾 7回コールドにはなったけど、甲子園に出場しているチームと試合ができてすごく楽しめた。