第5シードの堀越は、背番号1を背負う佐藤虎ノ介投手(3年)がエースとして踏ん張った。7回を6奪三振、1失点で初戦白星を挙げた。

3安打を打たれたが、連打は1度も許さなかった。体の使い方を覚え、今春から球速は約10キロアップ。「130キロ前半くらいは出ていると思う」という直球を軸に、テンポよく投げた。

どうしても勝利を届けたい人がいた。背番号1を巡って切磋琢磨(せっさたくま)してきた、背番号10の加藤宇(そら)投手(3年)。新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者となり、この日のベンチを外れていた。試合前に、LINEが届いた。「神宮は人工芝で反射するから、倒れないようにね」。

投球フォームのアドバイスをし合い、変化球の握りなどを一緒に研究する、よきライバル。「加藤がいなかったので、今日は気合が入っていました」と明かした。

小田川雅彦監督(64)は「試合前に虎が『1人で投げます』と言ってきた。普段以上に気持ちが入っていましたね。(背番号)1を着ける価値のある投球をしてくれました」。

加藤は、4回戦までには復帰できる見込み。次は、一緒に勝利を目指す。