大分舞鶴が5点差を逆転する驚異の粘りで優勝候補の藤蔭にサヨナラ勝ちした。4強に進出し、春夏連続出場へ近づいた。

8-8の9回1死二塁で、主将の甲斐京司朗内野手(3年)が左越え二塁打を放ち、激戦に終止符を打った。「途中、負けてしまうかもと弱気になったけど、試合に出ていない選手が声をかけてくれて、戦う気持ちが切れなかった。最後は超イケイケの雰囲気でした」。エース奥本翼(3年)が不調で4回途中KO。その時点で0-5。だがその裏、甲斐の2点二塁打が逆襲の合図になった。

6回に4得点で追いつくと、勝ち越された直後の7回に8-7とついに逆転。再び追いつかれたが、最終回で決めた。「今までの試合で一番、主将らしくできた。でも僕らは甲子園で校歌を歌うことが目標。まだベスト4なので次の試合に備えます」。主将に浮かれる様子はなかった。

○…藤蔭の最速152キロ右腕、松石信八(しんや)投手(2年)がベスト8で姿を消した。優勝候補の一角とされていたが、大逆転負けを喫した。

快調に立ち上がり序盤で5点の援護をもらったが、4回に2失点、6回には連続四球から4失点し、この回途中で降板した。最速は146キロだったが、中盤から球威が落ちていた。

「打たれ始めて、挑戦者という気持ちを忘れた。弱いところが出ました。先輩のために勝ちたかった。来年は絶対に甲子園に出ます。投げるだけでなく、チームに貢献できる選手になりたい」と成長を誓った。

この日2本塁打を放った9番の河津陽和(はると)捕手も2年生。バッテリーで注目されそうだ。