昨夏8強の盛岡中央は、花巻南を4-0で下し、2年連続の16強を決めた。雨天順延が続いて当初の予定から4日遅れでの一戦。プロ注目右腕・斎藤響介投手(3年)が圧巻の投球を披露した。自己最速を更新する152キロをたたき出すなど1安打完封。投じた127球のうち145キロ以上は19球を数え、7三振を奪った。20日の3回戦は8強入りをかけて盛岡市立と対戦する。

斎藤が1安打完封でエースの仕事を果たした。140キロ台後半の直球で押し、切れのあるスライダー、カットボールなどで相手打線を揺さぶった。「夏の大会で9回を投げ切れたことがうれしい」。唯一の安打は4回、先頭に許した中越え二塁打のみ。後続を空振り三振、遊ゴロ、空振り三振で仕留め、落ち着いてピンチを脱した。

尻上がりに調子を上げた。初回、先頭にいきなり四球を与えるスタート。それでも後続を併殺打、見逃し三振に封じると明らかにギアが上がった。2回、先頭への5球目で151キロをマーク。12日の1回戦で計測した150キロを塗り替えた。さらに3回、ボールになったものの、先頭への5球目で152キロ。「抑える気持ちで思い切りいけたのが良かった」と剛腕ぶりを発揮した。奥玉真大監督(47)は「まだまだ発展途上のピッチャーなので、(球速は)もっともっといくと思う」と期待を込めた。

最速の大幅更新? 9回1死、1ストライクから右飛に打ち取ると、スコアボードに「156キロ」の表示。その1球はスカウトのスピードガンで144キロだったため、誤計測とみられる。斎藤自身も「多分、バグ(誤り)というか、そんなにいい球がいっていなかったので、多分違うと思う」と気にしなかった。

今大会2試合で12イニングを1安打無失点、15奪三振と無双状態だ。斎藤がゼロ行進を続けていけば、23年ぶりの甲子園出場が見えてくる。【山田愛斗】

◆広島・近藤芳久スカウト(斎藤の投球について)「前回登板よりはスピードや変化球の切れが良かったと思う。春はコロナの影響で投げ込み不足があったと思うが、夏に向けてだいぶ調子が上がってきた」