5年ぶりの甲子園を狙う滝川西が武修館を9-4で下し、2年連続の4強入りを決めた。3番岩崎結哉主将(3年)が7回に決勝打、8回には試合を決定付ける3ランを放つなど、3安打6打点の大活躍。チームは今大会初戦で延長タイブレーク、準々決勝は降雨コールドで再試合を経験。5年前と同様に死闘ロードを乗り越え、聖地を目指す。北大会の準決勝は23日に旭川スタルヒンで行われる。

バットを振れば長打。岩崎主将が3安打6打点と大暴れした。まずは1回1死二塁から先制の左越え適時二塁打。同点の7回無死二塁では勝ち越しの適時二塁打を放った。極め付きは8回。2死一、二塁で左越えに3ランをかっ飛ばした。「体が動いたって感じです」。公式戦2本目、高校通算9本目のアーチはチームを2年連続の4強に導く大きな1発となった。

1回戦でのアクシデントはもう全く感じさせなかった。延長タイブレークで勝利した網走南ケ丘戦で、14回に決勝打を放った直後、両脇腹と両足がつった。試合後球場で治療し、旭川市内で酸素カプセルに入り、滝川市内の病院では点滴治療を受けた。「今も(体は)張っている」と万全の状態ではないが「チームのポリシーで、そこはぶらさずやろうと言っているので」と本塁打の場面も滝西のカラーである全力疾走で生還した。

滝川西の主将になると決めて入学した。5年前に甲子園に出場した代で主将を務め、現在北海道ガスでプレーする堀田将人(22)を尊敬する。今年の正月には堀田に誘われてともに練習を行うなど親交がある。「甲子園行ってくれよ」と、もらったメッセージも発奮材料にしている。

5年前のチームと似た境遇もある。今大会で延長タイブレーク、降雨コールドで再試合を経験。5年前の堀田らもノーゲームの1回戦再試合を延長で制し、その後波に乗って聖地への切符をつかんだ。同じような死闘ロードに岩崎主将は「甲子園に行った代と同じような流れ。そういう意味ではなにか神様が自分たちにいい流れを持ってきてくれているのかなと感じる」。夢大舞台まであと2勝。全力で走る。【山崎純一】

◆4強進出を決めた滝川西・小野寺大樹監督(46) (3安打6打点の岩崎主将について)今日もいいところでやっぱり打ってくれるし、ベンチでの声掛けも抜群。僕がなにもしなくても大丈夫だなと、信頼して任せています。

■武修館、4強ならず

武修館は3年ぶりの4強には届かなかった。2点の勝ち越しを許した直後の7回に1点差に迫るも、8回に3ランで失点するなど最後は5点差をつけられた。先発右腕の西谷内は7回途中9安打5失点。「今日は気持ちをしっかり持って、みんなのためにと投げた。谷本監督の教えを信じてついていってほしい」と後輩へ思いを託した。