花巻東が盤石の完封リレーで5年連続(20年独自大会含む)8強入りを果たした。一関二に8-0の7回コールドで完勝。背番号「10」で最速141キロの大道星也投手(3年)が、5回無安打無失点で5三振を奪った。2番手の工藤翔大投手(3年)が1回無安打無失点、3番手の北條慎治投手(2年)も1回1安打無失点と鉄壁を誇った。21日の準々決勝では水沢と対戦する。

今春センバツでベンチ外の大道が堂々の夏デビューだ! 5回を無安打無失点。この日の最速は139キロで直球主体にカーブ、スライダー、スプリットを織り交ぜ、テンポ良く打者17人に60球を投じた。「初めての登板で緊張したが、バックのみんなが僕に声をかけてくれて安心して投げられました」。打撃陣は初回に3点を先制し、4回までに6点リード。強力な援護が好投につながった。

先発の役割を全うした。6-0の5回。わずか5球で2死を奪い、後続をカウント2-2から137キロ直球で空振り三振に仕留めた。この回でお役御免。救援陣につないだ。佐々木洋監督(46)は大道について「急に伸びてきた」「ゲームを作る能力が高い」と期待する。今春まではエース左腕の万谷大輝投手(3年)ら軟投派が軸だったが、初戦の花巻農戦で最速142キロの吉田幸永投手(3年)が6回2安打無失点。「うちにとっては吉田、大道が出てきたのは大きい」と速球派の台頭を歓迎する。この日は3番手の北條も7回に142キロをマークした。

センバツはベンチ外も、打撃投手として甲子園に帯同した。大道は「たくさん投げたので、(打者が)どこが苦手かとかを見つけるのは少し早くなった」と笑う。惜敗した1回戦・市和歌山戦はボールボーイを務め、当然その悔しさを胸に秘めている。「絶対にもう1回あそこで大暴れすることを考えて、センバツからこの期間までを一生懸命やってきました」。昨秋は公式戦登板0、今春は同3の右腕が、甲子園へ続く道で存在感を増している。【山田愛斗】