<シン・うるうるマン:札幌創成・犬山祐輔捕手(3年)>

エース不在の中、打って守ってチームをけん引した。4番として北照の好投手上川から4打数3安打。主戦の佐々木奨(3年)が体調不良で欠場する中、先発した1年の岩城をリードし、5回まで無失点と、踏ん張らせた。「誰が出ても勝ちに行く。その気持ちを強く持って臨むことはできた。格上相手にも引かないで戦えた」と胸を張った。

えりも町出身。「目標はプロ。元プロの監督のもとで力をつけたかった」と元中日の遠田誠治監督(58)の指導を求め、日高シニアから札幌創成に進学。19年の南大会8強が進路を決めるきっかけだったが、自身が正捕手になった1年夏以降、6季連続地区敗退。「簡単に道大会に行けると思ったけど、そんな甘いものじゃないと分かった。厳しさを学んだ」。屈辱をバネに最後の夏、春王者の札幌第一を破り、初の道大会切符を獲得した。

「遠田監督には『うまくいかないときこそ下を向いちゃ行けない。視線が下がって守備のミスにつながる』と言われた。3年生になって、そういう気持ちを常に持ってプレーできるようになった」。初回2死三塁で三ゴロ凡退も、2打席目から3打席連続安打。あきらめない姿勢を目いっぱい後輩に示し、高校野球の幕を閉じた。【永野高輔】