春の東京大会覇者、関東第一(東東京)が最初の壁を打ち破った。甲子園出場経験を持つ日大豊山に14安打を浴びせて11得点。5回コールドで5回戦進出を決めた。相手の福嶋直也監督(36)が嘆いた。「浮いたところを逃さない。さすが関東第一さんです」。

初回の先頭打者から猛攻は始まった。いきなりの4連打、4番・増尾己波三塁手(3年)が三塁打したときには3点が入っていた。さらに犠飛、2死後に3連打、盗塁も絡めてこの回6得点。米沢貴光監督(46)が仕掛けていた。「最大限警戒した相手。投手がいいから、強引にいった。選手も応えてくれた。頼もしいです」と振り返った。

本来なら、バントを使い確実に攻撃する立ち上がりに、あえて強気に攻めた。それが吉と出た。増尾はこう言った。「僕、ホームランは興味ないんです。ヒットでつなげればいいんで」。3回には2試合連続となる2ランを放った。公式戦3本目、神宮2本目を打った主砲も、打線のつながりを常に意識する。

これでベスト16入りが決まった。米沢監督はまだまだ手綱を緩めない。「組み合わせを見ると決して楽ではない。1つ1つ戦っていきたい」。1戦必勝を強調した。【米谷輝昭】