盛岡中央が盛岡市立を6-1で退け、2年連続で8強入りを決めた。プロ注目の最速152キロ右腕、斎藤響介投手(3年)が150キロを連発して1安打1失点、19奪三振で完投。今大会3試合の連続無失点は18回1/3で止まったが、21イニングを2安打1失点、34奪三振と抜群の安定感を誇る。打撃でも2安打1打点と活躍した。21日の準々決勝では盛岡三と対戦する。

盛岡中央のスーパーエース斎藤が異次元の投球で8強に導いた。1安打1失点で完投。「今日は内と外の投げ分けができ、自分的にもいいピッチングができました」。さらには初回に適時打を放ち、8回は中越えへ大きな当たりを飛ばすと、気迫のヘッドスライディングで三塁打。投げて、打って、走って、泥だらけになりながらハッスルした。

初回に主導権を握った。先頭から2者連続三振と出ばなをくじかれたが、簡単には終わらない。三上拓夢外野手(3年)が左前打で出塁。後続は3者連続で四球を選び、押し出しで先制した。さらに2死満塁の場面で小笠原颯汰捕手(3年)が遊撃への内野安打で2点目を奪い、送球が乱れる間にもう1点。仕上げは斎藤が左前適時打を放ち、打者一巡で4点を先行した。

盛岡市立は奥玉真大監督(47)にとって苦い記憶がある相手だった。3年前の2回戦。一時は7点リードも、延長14回タイブレークの末に12-13で敗れた。

「私の高校野球の夏デビュー戦が市立高校さんで、そのときに宿題をいただいて、そこから始まった高校野球でしたので今日も最後までとにかく気を抜かずに行こうと思っていました」

連戦が続く中でも目の前の試合を勝ちきるために、最後まで斎藤にマウンドを託した。奥玉監督は「どちらかというと連投とか、中が少ない方が体の動きがいいようです」と自信を示す。スタミナ自慢の斎藤は試合後恒例の酸素カプセルに入り、回復に努めるという。「次の試合は今以上にいいピッチングをして勝ちたいです」。最速152キロのエースを擁して盛岡中央が進撃する。【山田愛斗】