<高校野球東東京大会:帝京12-0立志舎>◇23日◇5回戦◇神宮

2試合連続となる初回先頭打者本塁打は、神宮の右翼席に一気に吸い込まれた。帝京(東東京)の1番、小島慎也三塁手(3年)が2球目の速球を捉えた打球だった。「外角から内に入ってきた甘い球。僕はあそこが一番飛ぶんで、思い切って振りました」。

173センチの体が、鋭いスピードでバットを振り抜いた。高校通算40号。そのバットはヘッド寄りに重心があり、飛距離は出るが高校生には扱いづらいもの。今春、日大三との練習試合でこのバットを壊し、借り物を使って調子を落としたことがある。今大会前にやっと愛用のトップバランスの品を入手、本来の姿に戻っていた。

1年時は腰痛もあって、試合出場はひと冬越えた3月から。それでも2年時で16本。今年は24本と量産が続く。金田優哉監督(36)は一時期3番に据えたこともあるが、今は「打線に勢いをつけて欲しいんで」と1番で起用する。

その期待通りに猛打を導き、11安打12得点で5回コールド勝ち。初先発した西崎桔平投手(1年)も支えた。小島は2安打1四球3得点。「いい打ち方をすれば本塁打になる。三振はチームに悪い影響を与える。凡打してもいい打球を打とうと思っています」。

頼れる1番打者を先頭に帝京が11年ぶりの甲子園にあと3勝と迫った。【米谷輝昭】