<シン・うるうるマン:クラーク・山中麟翔投手(3年)>

春の無念を聖地で晴らすことはできなかった。先発し2回1/3 2失点で降板。左翼手として、最後の夏を終えた。初回に1死取った後に四球で崩れた。「あそこで1点取られたのがダメだった。テンポ良くゼロで乗り切っていたら。相手のペースでやられてしまった」。春の忘れ物を取りに行くことは、できなかった。

センバツでも先発し1回1/3 3四球。2失点し、2回途中で右の辻田に代わった。この日も初回に2四球。慎重に低めを突いたが「調子は悪くなかった。丁寧に行きすぎてしまった。コースを、という意識があって。序盤で相手をリズムに乗せてしまった」。春の聖地同様、武器の制球力を生かせないまま敗戦となった。

クラークは18年夏、19年夏と2年連続決勝で旭川大高に敗れていた。「また旭川大高に負けるなんて。今度こそ三度目の正直にしたかったのに。エース背番号をつける者として、しっかり抑えなければならないのに」。相手校歌が流れた瞬間、涙があふれた。

「優勝候補と言われる中でプレッシャーもあったが、その分気持ちを強く持とうとやってきた。いつも通りの投球をしようとしたのにできなくて。悔しい。大学で野球を続けて、この経験を生かしたい」。全国で勝てる投手を目指し、これからも鍛錬を続ける。【永野高輔】