<シン・うるうるマン:旭川東・今津慶介主将(3年)>

最後の最後まで主将らしさを見せ続けた。試合終了直後、ベンチで顔を覆いながら大泣きするチームメートたちへ歩み寄り声をかけた。「ナイスゲーム」。同校53年ぶりの決勝戦も旭川大高に敗れた。これで前身の旭川中時代から続く全国最多の決勝敗退を11度とし、またしてもあと1歩のところで甲子園への扉をこじ開けることはできなかった。「東高のOBの方々や、みんなの期待を背負っていたので、甲子園に行けなかったのは悔しい」と涙を流した。

1回に3点を先制され、追いかける展開。5回までチームはわずか1安打と苦しんだ。6回1死二塁から左前打で出塁。その後2死二、三塁と反撃のチャンスをつくったが無得点に終わった。それでも「まだまだここからここから。大丈夫」と、大声を張り上げて鼓舞し続け、チームは9回に1点をもぎ取った。

遊撃の守備では軽快な動きを見せ、8回には2番手でマウンドへ向かった。「気持ちで抑えてやろうと思って行きました」。気合十分に右腕を振ったが、2死二塁で山保に適時内野安打を打たれるなど、5連打を浴び4失点と封じることはできなかった。

父寛介さん(45)は旭川市長、祖父寛さん(75)は元衆院議員という政治家一家。今夏、旋風を巻き起こした旭川東野球部のリーダーとして爪痕を残した。「最後までやり切ることができて楽しい高校野球生活でした。自分が動くことで人を動かせられたらいいし、人の気持ちも動かせられたらいいなと思う」。最後は胸を張り、将来像を描いた。【山崎純一】

●先発登板し7回8安打3失点だった旭川東・窪田航樹投手(3年) (3失点した)初回ですね。立ち上がり、まだギアが上がっていないフワフワした状態で入ってしまって、もったいなかった。(将来は)スポーツに関わりたいなと思っている。

●旭川東・佐藤俊行監督(43) ここまで選手に連れてきてもらったので、本当にありがとうという気持ち。公立高校でも、進学校でも、ここまでこれるということを証明できたのかなと思います。