第104回全国高校野球選手権に出場する北北海道代表の旭川大高が28日、旭川市内の同校で練習を行った。

甲子園メンバー18人は北大会から変更なし。背番号8の一ノ戸空生行(あいあん)外野手(3年)は旭川東との決勝の8回2死二塁で代打出場し、左翼線に適時二塁打を放ち優勝に貢献。「粘りの打撃と守備走塁が武器。甲子園でも生かせられたら」と意気込んだ。

164センチの小柄な体を、今春からさらに低く構えるフォームで相手投手を幻惑してきた。白樺学園との北大会準々決勝では3回の第1打席で9球粘り四球で出塁。ストライクゾーンを狭く見せ投手心理を揺さぶり、さらに80センチのバットをグリップぎりぎりの短さで握り、ファウルで球数を投げさせる。「長打が打てる方ではない。少しでも相手が嫌がることをして役に立ちたい」と思い描いた。

名前の「あいあん」は「鉄のように強い男に」という願いが込められている。羽幌中から「レベルの高いところで甲子園を目指したい」と00年夏に聖地を踏んだ叔父飛馬さん(40)と同じ旭川大高に進んだ。50メートル6秒0。快足に加え、冬場の筋トレで、63キロの軽い体でスクワット147キロを上げるパワーも身に付けた。小さな鉄人が、夏1勝を引き寄せる。【永野高輔】

○…山室孝太外野手(3年)が一ノ戸と中堅のスタメン出場を争う。地区予選から15打数7安打、打率4割6分7厘はチーム1位。北大会決勝は8番中堅で先発し、一ノ戸と交代するまで3打数2安打と活躍した。「アイアンとはタイプが違う。僕は強い打撃を武器にチャンスをつかみたい」。祖父清孝さん(76)は旭川南の三塁手で64年夏の甲子園出場も初戦敗退。「祖父の助言でいい打撃ができている。勝つところを見せられたら」と意気込んだ。